クラウド会計ソフト「マネーフィワード」をお勧めします。「弥生会計NEXT」(クラウドシステム)も発売されます。
初めて会計ソフトを使う方には、法人のお客様には「弥生会計」又は「マネフォワード会計」を、個人のお客様には「弥生会計」又は「マネーフォワード確定申告」をお勧めします。
当会計事務所でメインに使用している会計システムは現在「弥生会計」と「マネーフォワード」です。
「弥生会計」は一番売れている会計ソフトであり、ユーザーも多いことから操作方法などが書かれた本も売られており、本屋さんで購入することができます。会計事務所でも「弥生会計」であれば対応している多いと思います。「弥生会計NEXT」というクラウドシステムに移行してゆくようです。
「マネーフォワード」は最初からクラウドシステムとして開発された会計ソフトなので、預金やカード情報を取り込んで仕訳が行えたり、スマホのアプリで操作できるなど、若い人にはお勧めです。
どちらのソフトも会計事務所とお客様が使うソフトが同じものなので、操作方法は会計事務所と同じなため、画面を見ながら電話で操作方法をご指導できます。データはクラウドに保存されますので、データのやり取りは必要ありません。どちらも使用料はお客様の負担となります。
税務関係は、「弥生会計」と「マネーフォワード」のどちらとも連携ができる、NTTの「達人シリーズ」を導入しました。
※「マネーフォワード」については、記帳代行の場合には、無料でお客様のパソコンで閲覧ができます。
市販ソフトについて
市販ソフトも各製作会社が、ユーザーの入力の手間を軽減させる努力をしており、大変使いやすいものが多くなっています。
市販されている会計ソフトは何種類もあります。
- 個人用(白色、青色10万円控除用、青色55万円又は65万円控除用)
※個人用には、一般用、不動産所得用はたくさんありますが農業に対応したものは数少ないです。 - 法人用(白色、青色)、分析機能が付いたものが多いです。
- 法人、個人両方対応のもの
市販会計ソフトの紹介・・・旧製品のインストール型の記述ですが、現在はほとんどクラウド化されていますので使い勝手は随分変化しています。そのため、この古い内容の記事を削除しようかと思いましたが、参考ということでしばらく残すことにしました。他のWEBの記事の方がタイムリで正確でしょうから、そちらをご確認ください。
<法人・個人両対応>
■会計王(ソリマチ) ■弥生会計(弥生(株))
当事務所の顧問先で使用しています ・・・会計王(ソリマチ)は新潟県長岡市の反町会計事務所が作成したソフトで、多く利用されています。弥生会計(弥生(株)) は一番売れているソフトと言われています。価格的には若干会計王(ソリマチ) の方が安いと思われます。 ・・・減価償却費の計算や、決算書が作成できますので、会社ですべて作成したい場合にはこれらのどちらかをおすすめしますどちらも多くの利用者がありますので、いざという時には、どの会計事務所でも対応可能と思います。 ・・・どちらも販売管理ソフト、給与計算ソフトが同じシリーズで発売されていますので、買うなら同じシリーズの方が操作方法が統一されていて便利かとお思います。各単体での販売とセットでの販売があります。
ソリマチのソフト・・・
インストールする際、パソコン名に制限があり、半角アルファベットで登録しておくと、うまくインストールできました。漢字などの場合、別のログインを作成しないとインストールができないとのことでした。また、データベースソフト(エンジン)のバージョンを先に入れておかないと本体の会計王がうまく動きません(インストールの案内にも書いてあります)。会計事務所のようにお客様それぞれがバージョンの異なる会計王の場合、別々のパソコンにインストールしないと、データベースソフト(エンジン)のバージョンが異なるせいか、うまく動きませんでした。・・・そんな使い方をする人はいないと思いますが・・・。結果、インストールは少し面倒であると感じました。
弥生(株)のソフト・・・
他のホームページの記事であり、私が体験した内容ではありませんが、1人や2人が書いていることではなかったのでその一部を紹介します(真偽はご自分でお確かめください)・・・バージョンアップの勧誘が頻繁にあるらしく、それがいやだというユーザーもいるらしいです。給与ソフトで、他社ではユーザー自身が変更できる雇用保険の料率などの変更もバージョンアップしないと使えないと言われたとの記事もありました。・・・もともと給与計算ソフトは料率の変更が頻繁にあるものなので、バージョンアップは付き物ですが、1回買ったら数年はバージョンアップしないで使うつもりの方は良く検討された方がよいでしょう。・・・「弥生給与NEXT」がクラウド製品として販売されました。この製品だと社会保険料の更新は自動に変更されます。
また、パソコンがクラッシュした場合予備の導入回数(1回)を使い切ってしまうと、新規のソフトを買わないといけないとの記事もありました・・・他社の場合はサポートに電話すると前の登録を解除して使えるようにしてくれるところがほとんどです。
また、販売管理のソフトでは販売王(ソリマチ)では帳票レイアウトを変更できたのですが、弥生販売の場合、スタンダードでは変更できず、上の製品でないとできないとありました。
特に販売管理ソフトは得意先の住所、名称、電話番号など大切なデーターを管理するソフトなので、データの移し替えを考えると、新しいソフトに乗り換えるのが事実上困難な場合が多いので慎重な検討をお勧めします。
■農業簿記(ソリマチ)
会計王(ソリマチ)と同じメーカーが作成しているソフトで、比較的大規模な農家や農業法人はこれを利用しています。操作方法も会計王とほぼ同じです。帳簿類も豊富にありますので、経営にも役立つ資料が出力できます。・・・当社のお客様でも3件程使用しています。農協の預金データから仕訳を取り込めるサービスがあり、このソフトでないと取り込めないようです。
■JDL IBEX 出納帳net
当事務所で以前に利用を推進していたソフトです 。月額380円で年間でも5000円未満の驚異的な料金でレンタルされているソフトです。バージョンアップ料も含まれています。 ・・・減価償却費の計算機能、個人の決算書の作成機能がないために、会計事務所との連携で利用されることを前提に作成されているソフトです。下記の「JDL IBEX 出納帳 AO net」と比較して頂きたいのですが、名称に「AO」が付かないものはお客様が契約者となり、会計事務所が変更になつても利用できます。利用料はお客様が負担します。
農業用、NPO用の対応については、勘定科目の体系を会計事務所が設定することにより対応できます。そもそも、会計事務所と連動して使うためのソフトですので、個人用の「決算書」(青色申告)や「収支内訳書」(白色申告)は作成する機能が付いておらず、データを会計事務所に渡して作成することになります。
■JDL IBEX 出納帳 AO net
JDLのソフトで「AO」がつくものは、会計事務所が契約者となり、お客様に配布するソフトで、機能も上記「JDL IBEX 出納帳 net」と同じものだそうです。また利用料金も同じです。基本的に会計事務所を変更すると、使えなくなります。有料としている会計事務所が多いと思います。
《完全クラウド型会計ソフト》
《完全クラウド型会計ソフト》・・・これから主流になると思います。最近の会計ソフトのトレンド的な存在です。
- 会計ソフト自体がウェブ上にあるので、自分のパソコンにインストールする必要がありません。
- ソフトのバージョンアップも自動で行われるので、わずらわしい作業がありません。
- 会計データもクラウド上、または各ソフト会社のサーバー上にあり、データーのバックアップが不要になります。
- ウィンドウズパソコン、Macパソコン、アインドロイドタブレット、ipad、など、OSや機器に左右されないので、ウェブが見れる環境があれば、入力、編集、閲覧ができます。
- ウェブにアクセスできる環境があれば、仕事場でも、自宅でも出先でも操作することができます。
- ネッバンキングをしていれば、簡単に預金データを取り込むことができます。また、カードの取引明細も同様に取り込むことができ、大幅に入力の手間を削減できます。
- ソフトにもよりますが、「Airレジ(エアレジ)」の日々のデータも取り込むことができるので、遠隔地にいてもタブレット等で日々の売上を確認することができます。あるソフトは請求書の作成をする機能があったり、その売上データを自動で取り込むことができます。
- 会計事務所がこれらのソフトに対応していれば、リアルタイムに同じデータを参照することができ、データの受け渡しをする必要がありません。
- 欠点1)ウェブ上での作業になるので、入力の速度に表示の速度が追い付かないなど、使いにくさが指摘されていますが、各社が努力している最中で、今後改善が進むものと思われます。
- 欠点2)欠点と言えるかどうかわかりませんが、各社の競争のため、機能の追加が頻繁にあります。個人的には基本的な機能は、やはり既存の各パソコンにインストールするタイプの会計ソフトの方が優れていると思います。しかし、機能アップによりだんだんと機能が増え、使いやすくなっているようです。
freee(フリー)、MFクラウド(マネーフォワード)、ハイブリッド会計Crew(クルー)・・・など多くのクラウド型会計ソフトがあります。これらのソフトに積極的に対応した会計事務所が増えているようです。
お客様への提供が有料のものと、無料(会計事務所が費用を負担)のものがあります。
freee(フリー)
freee株式会社が作成しているソフト。お客様が料金を負担するタイプです。掲載時点での料金では、個人980円/月、法人1,980円/月です。クラウド型会計ソフトの中で一番ユーザーが多いということです。普通の会計ソフトとは異なる考えのもとに作られており、お客様は使いやすいかもしれませんが、通常の腹式簿記で事務をしている会計事務所の人や経理担当者にとっては、慣れが必要かと思います。ネットバンキング(北越銀行)のデータとカード支払のデータを取り込んでみましたが、とても便利です。
freee(フリー)については、以前は当社でも使用していましたが、現在は対応しておりません。クラウドでの市販ソフトでは「マネーフォワード」か「freee(フリー)」のどちらかの選択になるでしょう。
<農業所得での利用>
農業所得に対応していないソフト全般に言えることですが、マネーフォワードでもfreeeでも農業所得用の収支計算書、青色決算書は用意されていません。一般用の決算書を代用して勘定科目の変更等で対応は可能です。手間はかかりますが、国税庁のHPの確定申告書作成機能を利用して、マネーフォワードやfreeeで集計した試算表、一般用の決算書を基にして各項目の金額を直接入力することで農業用の決算書を作成してみてはいかがでしょうか。農業所得用の独自の入力項目もありますので、入力して作成してください。紙で印刷して提出すれば良いでしょう。ただし、農業所得独特の「収穫基準」による、「農産物の棚卸高(期首)、(期末)」は一般用では無い計算方法ですので工夫が必要です。
当社のテクニックとして、まず、売上の項目に「期首棚卸高」、「期末棚卸高」という勘定科目を作成します。個人の農業所得の計算上、期末棚卸額を所得に加算し、期首棚卸は減算しますので、次に「期首棚卸高」の金額の入力には通常の数値(プラス)を入力し、「期末棚卸高」の金額の入力時にはマイナスで数値を入力しています。
<法人用>
■PCA NPO会計(PCA)・・・「特定非営利活動法人の会計の手引き」に準拠したもの
※当会計事務所では訂正22年7月に策定された「NPO法人会計基準」により経理処理する方針ですので、現在は使用しておりません。
<個人用>
■やるぞ青色申告((株)リオ)
「農業用」の決算書が作成できる数少ないソフトです。もちろん「一般用」、「不動産用」も作成できます。とにかくシンプルなソフトですので、初心者には良いソフトであると思います。価格も1万円程度です。55万円又は65万円の青色特別控除を受けるための元帳の作成、決算書の作成のみと割り切るならおすすめのソフトです。帳票が少なく物足りないとお考えになったら、上記農業簿記(ソリマチ)に切り替えたら良いと思います。・・・2025年版の広告ではインボイス制度にも対応しているらしいです
■ジョブカン 青色申告/確定申告会計 (株式会社DONUTS社)
旧 ツカエル青色申告(ビズソフト(株)) ジョブカンに吸収され、製品名も変更されましたが、パッケージデザインからしても内容は同じようです。
「農業用」の決算書が作成できる数少ないソフトです。 ツカエル青色申告2011のバージョンから農業用の決算書に対応しています。もちろん「一般用」、「不動産用」も作成できます。小売業用、農業用、不動産用など複数のデータを作成できので、家族中の決算書が作成できま。(事業所のデータ件数は無制限)。「見積・納品・請求書パック」というものも安価で販売されています。また、月次試算表の印刷、5期比較の印刷(オプション機能)、部門管理(オプション機能)、予算実績管理(オプション機能)、消費税の申告書も作成(標準機能)できるスグレモノです。 また、農業所得については、「製造原価報告書」を作成するどうかの選択ができ、小規模農業の場合にはこの機能を選択しないことをお勧めしますし、中規模農業の場合には選択することを勧めます。(選択すると勘定科目が増えることとなるため) 上記やるぞ青色申告((株)リオ)と 農業簿記(ソリマチ)の中間の機能を備えたソフトと思われ、特に個人で農業所得がある場合には、当事務所いち押しのソフトです。・・・令和6年版の広告ではインボイス制度にも対応しているらしいです
R6.9.1時点のパッケージ値段は8,140円です。ですが更新しないと、銀行連携機能が使用でなくなるなどの制限があるので、ダウンロード版5,500円(1年)で更新していった方が良いかと思います。くわしくはHPで確認してください。
<追記 H24.3.8> (〇)このソフトはメニューにより、一旦各処理を選択すると、上部にタグ(ボタン)が表示され、以降はそのタグをクリックすると作業途中でも、直前の画面に戻れます。いろいろな処理を並行して行う場合には便利です。(×)反面、あまり多く開くとボタンが隠れますので、その処理がどのメニューにあるのか慣れるまでに時間が掛るかもしれません。なにしろ初心者は、今どの処理をしようとしているか分からなくなるらしいです。 (〇)減価償却の登録は入力しやすいです。均等償却にも対応していました。
<会計事務所用>
会計事務所向けのソフトは高価で、TKC、JDL、エプソン、MJS等数社が参入しています。 大竹事務所ではエプソンのシステムを使用しています。
当事務所では、開業から平成25年6月までMJS((株)ミロク情報サービス)の「ACELINK navi(エースリンクナビ)」というシステムを導入していましたが、その後、JDLの「JDL IBEX 組曲 net」というシステムを使用、更にその後「A-SaaS」を使用、現在は「弥生会計」(会計)と「マネーフォワード」(会計)と達人(税務)を使用しています。
(2022.9.1 ジョブカン青色申告 記事修正)
(2025.5.13 加筆 高橋敦)