事業主勘定はいつ清算するのか
「事業主貸」、「事業主借」などのいわゆる事業主勘定は、いつ清算するのでしょうか。
「貸」とか「借」という文字が入っているため、「いつか自分が生活費から事業用の現金に返さなくてはいけない」と誤解されている方が多いと思います。
元々、「生活している自分」と「事業している自分」は同じ人間でありますので、「いつか返してもらえる」とか「返さなくてはいけない」とかはありません。両方とも自分自信のものなのですから・・・。
所得税の「事業所得(農業所得も含む)」や「不動産所得」を複式簿記で計算するために、便宜上使用している勘定科目であると考えられます。
では、その金額はどうなるのかと言えば、青色申告特別控除前の所得金額(当期利益)とともに期末に元入金に振替えられ、翌年の期首には元入金の額が変動するのみで、、「事業主貸」、「事業主借」の残高は残りません。
ちなみに、翌年に繰越されるものは、貸借対照表に表示される科目のみであり、損益計算書に表示される、売上や経費の科目は繰越されず、ゼロからスタートします。そのおかげで、翌年の売上と経費が計上されてゆき、期末には当期利益が計算されるのです。
損益計算書の表示科目は繰越されませんが、売上と経費との差額である当期利益が期末に元入金に振替えられ、翌年の元入金の額が増減されていることになります。
(2012/03/17)